「傘福」は、江戸時代から酒田に伝わるつるし飾りのひとつ。女性たちが一針一針心を込めて子孫繁栄や無病息災、家族の幸せを願い細工物を傘に吊るし、地元の神社仏閣に奉納した風習がありました。また、日枝神社の例大祭「山王祭」の行列にもその源流が見られます。神輿に続く山車の亀傘鉾には、まちの活性と商売繁盛を願い吉祥柄の細工物を下げた傘福の記録が残っています。
酒田商工会議所女性会は、時代の流れと共に近年失われつつあった傘福の風習に光を当て、文化の伝承とまちおこしへとつなげました。
静岡県稲取の「雛のつるし飾り」、福岡県柳川の「さげもん」と並び日本三大つるし飾りとして注目される「傘福」。傘の先に幕をめぐらし天蓋がついているのが大きな特徴です。
「なす」は大願を成す、「さるっこ」は災いが去るように、「花」は花のようにかわいい子に育ちますように、など飾り物一つひとつに意味があります。 |