湊町さかた観光ガイドテキストブック 「ぐるっと、酒田 まちしるべ」 | |||
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第七章 向酒田界隈 2.出羽遊心館 |
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概要 | |||
出羽遊心館は数寄屋造りの生涯学習施設で平成6年10月に開館しました。この建物は茶室、数寄屋建築研究の第一人者である中村昌生先生が設計しました。徳尼公をモデルとした茶室(泉流庵)もあります。木材は金山杉を中心に全国の銘木を使っています。400坪の建物と、4,500坪の回遊式庭園を有する数奇屋造りの生涯学習施設は、建物1,800人、庭園2,000人の職人の手が掛けられています。「日本文化の香りのする園にしよう」という設定で、建物や庭を造りました。回遊式の廊下を設け、どの部屋からも庭を眺めることができます。庭には9,000本の樹木を植栽しています。芝庭の山桜はこの山にあった自然木で、まだ3~4本残っています。ここだけは元々の形を残しています。茶花として一年間何かしらの花は咲くようになっています。 | |||
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研修室 | |||
遊心館で一番大きな「研修室」は、52畳と24畳に区切られ、襖を外すと76畳の大広間になり、100~150名の会議も可能です。天井は舟底天井、蛍光灯を80本使い照らしています。正面の檜の舞台は、邦舞、邦楽、講演会で使われ、中に水瓶が入っていて、足を鳴らすと大変良い音が出る仕掛けです。大人数の茶道講習会では、3つの8畳間を作り釜を三個出し、足運び等の指導を一斉に受けることができます。 | |||
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和室 | |||
襖を外して27畳で使う事も可能です。又、三部屋に分け、小さい会議をする事もできます。一つの部屋には炉が切ってあり、茶会で使用もできます。外国の方がお見えになった場合に、冬ならば、三つの掘りコタツの準備もできます。桐の「遠山欄間」で特徴があります。障子の開け閉めで満月や半月となる月が、山の上にでるといった遠山を現しています。 | |||
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回廊 | |||
この回廊からの眺めは素晴らしく、春夏秋冬を通して、楽しむことができます。ここから鳥海山や出羽丘陵が見えます。このせせらぎは、最上川を現していて、泉流庵から見える滝から流れてきています。 この勾配天井は外の軒下まで同じ傾斜で繋がります。無双窓があり、空気を入れたり、日を入れたりします。 |
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広間 | |||
専用の玄関、寄付、水屋があります。床の壁は聚楽土で、年月や空気や風や温度で変化しています。土は生き物なので、変化を予測することはできません。太閤秀吉が京都に聚楽第を築造した際に、その地で採れた土を使用しました。それが聚楽土始まりとされ、中に金属の粉が何層にも塗っています。茶道に精進する方は、景色と呼びます。 | |||
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泉流庵へ | |||
ここからは船底天井になっています。「泉流庵」への廊下で、湊町酒田らしいものです。 | |||
泉流庵 酒田発祥伝説の徳尼公が、この辺りに庵を構えたことから名付けられました。外に待合、にじり口から入ります。聚楽土がとてもいい感じになっているそうです。床柱は赤松の皮付き小丸太です。 | |||
石垣張り この障子は石垣張りという模様で、特殊な張り方です。最近は酒田だけではなく、鶴岡や秋田の方々も施設がないということで、こちらをお使いになっているようです。 | |||
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ホール | |||
96畳の大広間で、立礼席として多方面で使用しています。この濡れ縁から竹林を望む景色は、冬の方が楽しめます。出羽遊心館は、どの部屋も和紙を用いた間接照明が施され、柔らかな明かりが灯されています。貴重な木材や細工がされているために、温度管理が難しく、冬の寒さもある程度は、我慢しなければなりません。しかし、このダイナミックで且つ繊細な建物は、どの季節でも訪れる人の期待を裏切ることなく、日本文化に触れながら学習できる施設になっています。 | |||
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*聞き取り協力 平成25年12月12日 出羽遊心館職員* | |||
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